2025年2月28日に東京リージョンのアベイラビリティゾーン「apne1-az3」が廃止されます
あしざわです。
本日、とあるAWSアカウント宛にAWSサポートより[要対応] アベイラビリティーゾーン 「apne1-az3」 の運用終了 - 2025 年 2 月 28 日までにリソースを移行してください
というタイトルのメールが届いていました。
内容をざっくり表すと「2025年2月28日に東京リージョンのアベイラビリティゾーン「apne1-az3」が利用不可になってしまうため、それまでに他のアベイラビリティゾーンに移行を完了させ「apne1-az3」のリソースをすべて削除してください」といったものでした。
本ブログでは、内容を理解するためにアベイラビリティゾーン「apne1-az3」の説明から、今後必要になるアクションについてまとめていきます。
アベイラビリティゾーン「apne1-az3」とは?
アベイラビリティゾーン「apne1-az3」は、最近発行されたアカウントでは利用できない古いアベイラビリティゾーン(以下AZ)です。
2021年頃に発行された私のAWSアカウントでは利用できませんでした。
近年発行されたAWSアカウントでは最初から利用できないAZなので、今回の廃止の影響が出るのは昔発行された古いAWSアカウントのみです。
詳しい説明の前に、apne1-az3
というAZの表記に馴染みがない方もいるかもしれないので、以下補足します。
東京リージョンのAZといえば、以下のような”ap-northeast-1" + "[アルファベット1文字]"
の形式で表現されているものをイメージする方が多いと思います。
- ap-northeast-1a
- ap-northeast-1c
- ap-northeast-1d
これらは「AWSがアベイラビリティゾーンをランダムにマッピングしたコード」であり、「物理的なアベイラビリティゾーンそのもの」を表すものではありません。
物理的なアベイラビリティゾーンは”apne1-az" + "[数字1桁]"
の形式で表現された、AZ IDと呼ばれる一意で一貫した識別子
で表現されます。
- apne1-az1
- apne1-az2
- apne1-az3
- apne1-az4
マッピングはランダムであり以下の図のようにAWSアカウントごとにAZのコードとAZ IDのマッピングは異なる場合があるため、注意が必要です。
参考: リージョンとゾーン - Amazon Elastic Compute Cloud
「自身のAWSアカウントでは どのAZ IDがAZのコードにマッピングされているのか確認したい」という方は、以下の方法で確認ください。
AZ IDをAWSマネジメントコンソール上で確認する場合
AWSマネジメントコンソールで、東京リージョンのResource Access Managerのホーム画面にアクセスし、お客様のAZ IDから確認できます。
リンク: https://ap-northeast-1.console.aws.amazon.com/ram/home?region=ap-northeast-1#Home:
AZ IDをAWS CLIで確認する場合
以下コマンドを実行し、確認できます。
$ aws ec2 describe-availability-zones \ --region ap-northeast-1 (出力例) { "AvailabilityZones": [ { "State": "available", "OptInStatus": "opt-in-not-required", "Messages": [], "RegionName": "ap-northeast-1", "ZoneName": "ap-northeast-1a", "ZoneId": "apne1-az3", "GroupName": "ap-northeast-1", "NetworkBorderGroup": "ap-northeast-1", "ZoneType": "availability-zone" }, { "State": "available", "OptInStatus": "opt-in-not-required", "Messages": [], "RegionName": "ap-northeast-1", "ZoneName": "ap-northeast-1b", "ZoneId": "apne1-az4", "GroupName": "ap-northeast-1", "NetworkBorderGroup": "ap-northeast-1", "ZoneType": "availability-zone" }, { "State": "available", "OptInStatus": "opt-in-not-required", "Messages": [], "RegionName": "ap-northeast-1", "ZoneName": "ap-northeast-1c", "ZoneId": "apne1-az1", "GroupName": "ap-northeast-1", "NetworkBorderGroup": "ap-northeast-1", "ZoneType": "availability-zone" }, { "State": "available", "OptInStatus": "opt-in-not-required", "Messages": [], "RegionName": "ap-northeast-1", "ZoneName": "ap-northeast-1d", "ZoneId": "apne1-az2", "GroupName": "ap-northeast-1", "NetworkBorderGroup": "ap-northeast-1", "ZoneType": "availability-zone" } ] }
必要なアクション
冒頭で紹介したメールが届いていたAWSアカウントでは、AZ廃止の影響を受けるリソースが存在すると考えられます。
2025年2月28日までに、必ず以下のアクションを完了させるようにしてください。
- 影響を受けるリソースを特定する
- 実行中のリソースを東京リージョンの他の3つのアベイラビリティゾーンのいずれかに移行する
- 非アクティブとなったリソースをすべて削除する
1. 影響を受けるリソースを特定する
AZ廃止の影響を受けるリソースは、AWS Health Dashboardのアカウントの状態 > スケジュールされた変更
に表示される「EC2 planned lifecycle event」から確認できました。
※1つのアカウントでしか確認できていないので、イベント名はアカウントによって異なる可能性があります
その後、確認したリソースを管理しているステークホルダーにリソースの利用状況について確認してください。
現在もリソースが利用されていたら2.の手順へ、既に利用されていないことが確認できれば3.の手順へ移ってください。
2. 他の3つのアベイラビリティゾーンのいずれかに移行する
1で調査した影響を受けるリソースについて、他AZへの移行作業を進めましょう。
移行作業は、以下AWS re:Postの移行ガイドを参考に進めてください。
- アベイラビリティーゾーン (AZ) の移行&インスタンスのアップグレードガイド | AWS re:Post
- Availability Zone (AZ) Migration & Instance Upgrade Guide | AWS re:Post
※2つのガイドの内容は同じで、言語(日本語/英語)のみが異なっているようです
移行ガイドには、以下のような移行手順が記載されていました。
- インスタンスが実行する AZ の特定
- EC2 インスタンスのアップグレード/移行
- ボリュームの移行
- NAT ゲートウェイの移行
- ElastiCache のアップグレード/移行
- ELB の移行
- RDS の移行
対応が必要な環境は昔からある環境である可能性が高いと思われますので、AZ移行と併せてインスタンスタイプの最新化の検討も行いましょう。
これらを参考に移行を進めていただき、完全に移行ができ次第 3の手順へ移ってください。
3. 非アクティブとなったリソースの削除
移行等が完了し使われなくなった「apne1-az3」のリソースをすべて削除しましょう。
さいごに
本ブログでは、AWSサポートから通知された「[要対応] アベイラビリティーゾーン 「apne1-az3」 の運用終了 - 2025 年 2 月 28 日までにリソースを移行してください」というメールの内容や対応方法について解説しました。
以上です。